「 」
木陰にいるのは、シビト
おいでなさいな、と伸ばされた手に、
逆らえずに手を伸ばし、
逆らいながら首を振る。
木の下にいるおんなのひとは、とても儚く、透き通っていて、
まるで空気にうつっているかのようだったから。
エミは、そのひとに少しだけ触ってみたくて。
懐かしいそのひとに触れてみたくって。
けれど、そのひとは、哀しそうに微笑ったから、エミは「いかないよ」と首を振った。
Musical BOX
Copyright (C) 2009 あるひの森の中 All Rights Reserved.