ねむりひめ
・王様(ロウリエ)とお妃(カザリア)は女の子がうまれたことを大変喜びました。
カ「ロウリィ……! 仕事ほっぽりだして一体何やっているんですか」
ロ「えー、嬉しいので、皆さんにお祝いしてもらおうと思いまして」
(大量の招待状の山)
カ「……わかったから、他の者にやらせなさい、他の者に!」

ロ「困りましたね。金のお皿が一枚足りません」
カ「別に金の皿じゃなくてもいいじゃない。皿なら他にもあるでしょう」
ロ「カザリアさん、カザリアさん、話の筋が変わってしまいますから」

・招待されなかった13番目のうらないおんな(フィシュア)は姫に呪いをかけました。
フ「姫は15歳になったらつむにさされて死にます」(きぱっ)

・12番目のうらないおんな(でも女が足りないのでラスリー)が前に進み出ました。
ラ「死ぬのではなく、百年の間眠りにつくだけです」
カ「ちょっと! 呪いといてくれるなら、ちゃんと解きなさいよ」
ラ「無理言うな。これが限界だ」
カ「もう少しくらい頑張りなさいよ!」
ラ「面倒」
カ「なんですってー!?」
ロ「まぁまぁ、カザリアさん落ち着いて。ランスリーフェン殿もありがとうございます。助かりました」
カ「全然助かってないじゃないの!」
ラ「もう用はないので、これで失礼する」(冷)
カ「ちょっと待ちなさいよー!」
ラスリー無視。カザリアと仲悪。

・姫(トゥーアナ)はすくすくと美しい娘に成長。
15歳の誕生日なぜか用事があって出かける国王夫妻。
一人留守番、お城探検。変な部屋発見。
ト「こんにちは」
フ「こんにちは……って本当に美人に成長してる!」
ト「何しているのですか?」(←国にあったものは全て燃やされているので、糸紡ぎを見たことがない)
フ「糸を紡いでいるのよ」
ト「絡まってますけど大丈夫でしょうか」
フ「あー……」(←こういう仕事苦手)
ト「お手伝いしましょか」
トゥーアナほどこうとしてやる。見事にさす。眠りにつく。
ちょうど広間に帰ってきてた国王夫妻も眠りにつきました。
フ「うーんと……話的には、結果オーライ?」

・さてさてお城はいばらにとり囲まれて、城全体が眠りについてしまいました。
長い年月がたった後一人の王子(シェラート)が城の近くを通りました。
なんだ? と思って見上げているとおじいさん(テト)が話しかけてきました。
テ「お城に行くの? おじいさんに聞いたんだけどね、あのお城の中にはきれいなお姫様が眠っているんだって。けど、お姫様を助けようとした人たちはみんないばらに閉じ込められて死んじゃうんだよ。だから気をつけてね」(いやに説明的)
シ「いや、行く予定はない」
テ「あれ? そうなの?」
シ「ただ通っただけだから」
テ「ふーん、そうだったんだ」
ですが、その日はちょうど姫が眠りについてからちょうど100年。いばらはそりゃあもうカーテンのようにさーっと勝手に開かれて行きました。
テ「あ、すごい。シェラートが来たからじゃない?」
シ「…………」
テ「僕もついていっていい? 中ってどうなってるんだろーってずっと気になってたんだ。だめかな?」
というわけで、どういうわけだか、いつものごとくテトに逆らえないシェラートはテトを連れて中に入らざるをえなくなりました。

・城の中は時が止まったままみんな眠りについています。
さてさてお姫様のところにたどりつきましたよ?
テ「わー、本当にきれいな人だねー」
シ「だな……。けど、ここまで来てどうするんだ?」
テ「起こさなきゃなんじゃないかな?」
テト・シェラート、トゥーアナをゆする。
テ「起きないねー……。ふむ」
テト、シェラートとトゥーアナを見比べる。
テ「キスしたら起きるんじゃないかな?」
シ「無理だろう。そんなことだけで起きたらいろいろと他のことも楽になるんだけどな」
テ「そうだよねー」
ああでもないこうでもないと言っているうちに日が暮れてしまいました。100年の時の終わりです。
ちょうど100年眠ったトゥーアナは、12番目の魔女の予言どおり目を覚ましました。
テ「ねぇ、シェラート。起きたよ!」
シ「本当だ。よかったな」
ト「……えっと?」(状況把握中)
テ「お姫様は、眠ってたんだよ」
シ「100年眠っていたらしい」
ト「そうなのですか?」(首かしげ)
シェラート、トゥーアナ互いに目があう……が、とうぜん恋に落ちるはずもない。

・その後、目を覚ました城の住人は盛大な宴会を繰り広げました。
カ「トゥーアナ!」
(がばり)
カ「よかった! よかったー(泣)!」
ト「ええ、ご心配をおかけしました。お母様」


それから、シェラートははじめに目指していた目的地に行きます。
トゥーアナは、普通に別の王様と出会って、結婚し、それはそれは幸せに暮らしたそうです。

おしまい
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