four o'clock とある平和な日の攻防

セリフのみ

 

弟による一方的な兄弟喧嘩の果て(ランスリーフェン×グランベル)
 
「いいですよっ! エリィシエル姫に聞いてもらいてもらいますから! ついでに慰めてもらいますから! 兄上なんか後で存分に後悔するといいんですよ!」
「お前はこどもか。リシェルにまで迷惑かけるな」
「姫はふわふわしてて抱き心地がいいんですから! 髪まで柔らかくってふわふわなんですから!
「…………。マリア(グランの想い人)の髪はさらさらだったな。触ったら指を綺麗にすり抜けて、いつも柑橘系の香りがする。そういえば、その後真っ赤になってたな。あれは、可愛かった」
「――――ぅぐっ! ああああ兄上のばかああああっ!」
 
 
現代日本の化粧道具を使ってみたい(アイカ×エリィシエル×カザリア)
 
「アイカ、ちょっと待って下さい! 何ですか、何なんですか。どうして、そんな棒の先端をこっちに向けて近寄って来るんですか」
「え、だってリシェルが逃げるから」
「ちょっとアイカ、落ち着いて説明しなさい。どうしてリシェルの目を突き刺そうとしてるのかを。答え次第ではアイカといえど許しませんからね!」
「わ、ちょっと、待って、カザリアさん! 誤解です。ちょっと日本から持ってきた化粧道具をリシェルに試してみたくて。これは、アイラインで目を大きく見せる効果が……で、あっちのがビューラーとマスカラで……! つまり、リシェルにアイメイクを施してみたいんですよ! アイメイクは偉大なんですよ!? してるのとしてないのじゃ全然、全く以って目の大きさが違うんですから。リシェルってほとんどアイメイクしてない状態で目がこの大きさですよ! してみたらどうなるか気になるじゃないですか! 絶対もっと可愛くなる!」
「……ふむ」
「けれど、アイカ、そのカチャカチャさせているものは、本当に化粧道具なのですか。アイカには申し訳ないけど、とても不安で……(というよりそれを鳴らして近づいてくるアイカがとても恐いのですが)」
「だーいじょうぶっ! まっかせといて、リシェル! ビューラーしたら睫毛がくるんってね」
「なんだかよく分からないけど、リシェルがより可愛くなるなら協力するわ、アイカ」
「カ、カザリアっ!」
「ご協力感謝です、カザリアさん! そのまましっかり押さえてて下さいね」
「了解」
 
 
「わあ……本当にすっごく大きくなるのね。すごいわ、アイカ。私にも教えて!」
「もちろんです。あれ、リシェルどうしたの?」
「……なんだかとても疲れました……」
 
 
フィラディアル王国の行く末を憂う(ランスリーフェン×アトラウス×ロウリエ)
 
「アトラス。この菓子、あまり美味しくはないな。どうしたんだ、これ」
「ああ、それか。それはリシェルから貰った。さっき持ってきてくれたんだ。お薦めだと言ってたんだけどな」
「…………」
「嘘だ、嘘。そんな無理して食べなくていいぞ、ラスリー。本当にまずいからな、それ。アイカがつくってみたらしいんだけどな、分量がよく分からなかったらしい。酷い味だよな。さっきアイカも自分で一口食べて変な顔してた――――って痛いだろう、ラスリー。投げるなよ、危ないだろうが」
「お前が悪いんだろう」
「……陛下と宰相殿は相変わらずですねぇ。とはいえアイカ姫がさすがに可哀相なのですが」
「なら、ロウリエ伯が食べてみるといい。まだ、いっぱい残ってるぞ」
「アイカのは笑えるくらい美味しくないからな」
「いえ、僕はちょっと遠慮しときます。……それよりも、早く書類を確認して下さいよ」
「ああ、そういえば、そうだったな」
「悪いな。アイカの菓子が強烈すぎて忘れてた。ん、アトラスはこっちだ」
「ああ、ありがとう」
「…………(カザリアさんが見たらびっくりするだろうなぁ。僕の方が仕事するように、この二人を諭してるんだから)」
 
 
 
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