序
「承知した。お前の願いは叶えてやろう」
了承の言葉を受けて、人間の男が安堵の息をつく。男の緊張が解けゆくのと同時に、彼の表情に喜びの色が広がっていくのが
長年、待ち望んできた時が訪れた。間にあった。ようやくめぐり合えたのだ。
この機会を逃すつもりなど、
「ただし、条件がある」
再び身を強張らせた男は、はっと顔を上げ、
「なぁに、簡単なこと。ただ俺の願いも、お前に叶えてもらいたいだけだ」
男にしてみれば、
しかし、それも一瞬のこと。男の双眸に宿る強い決心を覆すようなものではない。
そうして、人間の男は
「あなたの願いとは……?」