あらすじ
血濡れた剣と共に突如現れた敵国の王女、トゥーアナ。ケーアンリーブ国王ガーレリデスを前にして彼女は語る。
国は滅びた。戦争はもう必要ない。そして、自分は貴方を慕っていたのだと。彼女は王に差し出した。己の国と自分自身を。
戸惑う王に彼女は笑う。
「全てはあなたのため。嬉しくはないのですか?」
血を纏い、微笑む王女を不気味に思った王は彼女を捕らえ、閉じ込めた。やがて、牢塔から響き始める美しく楽しげな歌。
これは、自国を滅ぼした王女が歌となり、遠く遠く離れた国まで語り継がれるまでの物語。