ever after

 

 血に濡れた剣と共に突如現れた敵国の王女、トゥーアナ。

ケーアンリーブ国王ガーレリデスの目の前で彼女は語った。
国は滅びた、戦争はもう必要ない、そして、自分は貴方を慕っていたのだ、と。
彼女は王に差し出した。己の国と自分自身を。
戸惑う王に彼女は笑う。
 
 
血を纏い微笑む王女を不気味に思い、王は彼女を捕らえ閉じ込めた。
やがて、牢のある塔から漏れ響き始める美しく楽しげな歌声。
 
これは、自国を滅ぼした王女が歌となり、遠く遠く離れた国まで語り継がれるまでの哀恋歌<あいれんか>である。
 
この話は残酷表現、性表現等々を含むR15となっております。15歳未満の方そういったモノを苦手とする方は閲覧をご遠慮いただきますようよろしくお願いいたします。

 

 

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番外編 <Short Side Stories> 時系列はバラバラです。

彼の名は 

願い事 5titles by as far as I know  
眠れぬ夜にも、星の光があなたを照らしてくれますように 
我慢しきれずに零れるのは、明るい笑い声でありますように 
愛おしく思う気持ちのままに、あなたを愛せますように
傲慢な本音を隠すわたしを、あなたが嫌悪しませんように
年を重ねてゆくあなたを、ずっと傍で見ていられますように

約束を伝う

風に揺れる

空に歌う

かわいそうな、ひと title by empty song

孤独な王様へ 9titles by as far as I know
こどもは隠れるのがうまい
泥棒さがし
草のにおいと冠
亡き皇太子を偲ぶ
お前の苦しみはお前だけの
うるさい小鳥
裁きの君
枕よりはぼくのほうが
へたくそ
 

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memo: 『ラピスラズリのかけら』と『ever after』の関係

(注)ラピスラズリのかけら」を読まれてない方には微妙に「ever after」本編のネタばれとなるためご注意ください!!

『ラピスラズリのかけら』本編、第四章、一話「哀恋<アイレン>」の中でフィシュアが歌った遠い遠い国の歌の元になったお話です。本編に出した時は適当に考えたお話だったのですが、その後、なんだか勝手に独り歩きし始めたので、書いてみることにしました。ちなみに、一人称。
 途中まで『ラピスラズリのかけら』の番外編Short Side Stories欄に載せていましたが、あまりにもフィシュアが話した話という以外には関連がなかったことと、『ラピスラズリのかけら』に対し、内容が重く、年齢制限も有り、しかもなんだか中編になりそうになってきた為、こちらに移させてもらいました。もう完全に全く異なった別の話と考えて下さればよろしいかと思います。
 
フィシュア達が暮らしている時代より、何年前の話とか、そういった設定もありません。決まっているのはとにかく、遠い遠い国の物語だということ。そして、語り継がれるほどにはある程度の年月がたってしまったお話です。
 
そして、『ever after』は、フィシュアがテト達に語って聞かせた通り、“happily ever after...(いついつまでも幸せに暮らしましたとさ)”という御伽話の決まり文句につながっているにも関わらず、アンハッピーエンドでございます。
 
 『ever after』を読まなくても、『ラピスラズリのかけら』本編には何の支障もありませんのでご安心ください。
 
 
 
 
 
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